発症原因
ードパミンが減る
パーキンソン病を発症する脳内のドパミン不足のメカニズムはわかっていますが、詳細な原因はいまだ解明されていません。ここでは、脳や運動の仕組みについて少し解説します。
ドパミンが減り、運動ができなくなる
人間の脳内にはたくさん(100億個以上)の神経細胞が集まっています。この神経細胞の間を行き来して情報を伝えるネットワークを作っているのが神経伝達物質とよばれる物質です。
神経伝達物質にはアドレナリンやセロトニン、ドパミンなどさまざまな種類があり、それぞれ働きが違います。その中で、運動に関係する神経伝達物質がドパミンです。正常な状態では、ドパミンは必要なときだけ必要な量が放出され、運動がコントロールされます。
パーキンソン病は、このドパミンが何らかの理由で減ってしまって体を動かす働きが乱れ、手足のふるえや筋肉の硬直などの特徴的な運動症状があらわれます。
レビー小体が神経細胞の変性に関与
最近は、レビー小体という特殊なたんぱく質がパーキンソン病に関係していることがわかってきました。レビー小体はα- シヌクレインというたんぱく質が主成分の物質です。このレビー小体が何らかの原因で脳の神経細胞に異常にたまり、神経細胞の変性・脱落に関係しているのではないかと考えられています。
ミトコンドリアの障害が原因という説も
細胞内にはミトコンドリアという小器官が含まれています。ミトコンドリアは酸素によって呼吸を営み、細胞のエネルギーを作る役割があります。肺から取り込まれた酸素のほとんどはミトコンドリアで使われますが、その内の数パーセントが活性酸素(悪玉活性酸素)になり、神経細胞に酸化ストレスを与えて障害を引き起こすのではないかといわれています。